実例にみる「色残像」の問題とその解決手段
Prunus mume&A white-eye / zamuu.net
これは実話です。ある印刷屋さんの社長さんから相談されました。「うちのデザイナーは色使いが汚いんだよなぁ〜」なぜだろう?・・・と。いろいろ聞いてみると、デザイン室の壁の色が、よく工場で使われている「うぐいす」でした。
さて、この話から想定できる「汚い色になってしまう理由」は、何でしょう?
また解決するためには、どうすればよいでしょうか?※外科医の手術着は、基本的に「濃いうぐいす色」です。何故?
外科医の手術着が「濃いうぐいす色」の理由
まずこちらから調べてみます。
Polycom Practitioner Cart in Action / Andy G
上の画像では水色っぽい手術着ですが、他にもグリーンやネイビーなどがあります。
- ジャンル: メンズファッション・靴 > 紳士服 > 白衣(医師用)
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手術着の色について本職の医師の方が理由を述べています。
手術着|脳外科医アルバの徒然日記によると「色残像防止」のためだそうです。
色残像とは、
「同じ色を見続けた後、その色とは補色の残像があらわれる」ような残像
引用元:色残像 | りょーちの駄文と書評
を言います。
補色というのは、
色相環 (color circle) で正反対に位置する関係の色の組合せ
引用元:補色 - Wikipedia
のことです。
つまり、手術室における色残像とは、手術中、赤い血液や内臓を長時間見続けることによって、赤の補色である緑色が外科医の視覚に残像としてチラついてしまう現象です。
この色残像を防ぐために、手術着や壁を緑色にすることで赤色の補色である緑色を消去します。
色使いが汚い色になってしまう理由
では、本題のデザイン室について考えていきます。
考え方は手術着のケースと同様です。
デザイン室でも色残像がデザイナーの視覚に生じているためだと思われます。
うぐいす色の補色である赤系統の色が残像として残ってしまい色を決定する際に影響を及ぼしていると考えられます。
解決手段
デザイナーは外科医と違い、1つの色を見続けるわけでもないので補色が存在しない「白色」を壁の色に採用すれば色残像の影響を受けずにデザインすることができると思われます。